教訓

<‘こぶとり爺さん’のストーリー>
右の頬にこぶのあるお爺さんが道に迷い、鬼の宴会に出くわす。
「食べられる前にひと踊りしよう」と決心して踊りだしたお爺さんは、やがて鬼たちの人気者になり、「明日も来るように」と言い付けられこぶを人質に取られる。
こぶが取れて喜んだお爺さんは、そのことを村人に話す。
それを聞いた、隣家に住む左の頬にこぶのあるお爺さんが、翌日、自分もこぶを取ってもらおうと鬼の宴会に出向く。
鬼は最初、昨日のお爺さんが今日も来たと喜ぶ。*1
しかし、隣のお爺さんは踊りの経験が少なく、さらに目の前で見る鬼が恐ろしかったので、上手に踊れない。
鬼はそんなお爺さんに興醒めし、「もう、来るな」と言って、昨日のお爺さんから預かったこぶを、お爺さんの右頬に付けてしまう。

先日、高校時代の友人と昔話に花を咲かせる内、本当に昔話の話題になり、‘こぶとり爺さん’からは碌な教訓が得られないのではないか、という話になった。
気になって改めて読んでみたのだが、やはり‘こぶとり爺さん’からは、「踊りのスキルが重要だ」という教訓しか読み取れなかった。

*1:人質として取ったはずのこぶがまた付いていることに疑問を感じない鬼は迂闊すぎないだろうか。